朝鮮全羅南道演習林は、1911年(明治44年)に本多静六教授らが行った朝鮮中部および南部(邊山、莞島、智異山、金剛山等)の著名な森林の視察を通じて場所が選定され、1912年(明治45年、大正元年)に朝鮮総督府より80年の無料貸付を受けて本学所管となって設置された演習林ですが、1945年の終戦とともに廃止されました。
この写真集は全羅南道演習林の経営15年記念に作成されたもので、1914年(大正3年)に職員が派遣されて管理経営に着手してから1929年(昭和4年)頃までの各種の森林の様子や、植栽された樹種が記録されています。また、シイタケ栽培や木炭作り、量水観測などの様子も収められています。
なお、朝鮮全羅南道演習林は現在、ソウル国立大学南部演習林として運営されており、東京大学演習林との交流が続けられています。