この大判の図面群は、東京大学(帝国大学、東京帝国大学)で林学の講義において教材として掲示して使われていたと思われる、木材の伐採搬出や治山治水などの技術・道具・機械を図示したものです。複数の原典があるようですが、ドイツや日本の手法や道具が詳細に描かれています。 リトグラフ(版画の一種)が中心でそれなりの数が印刷されたと思われ、数カ所で類似資料が保管されているとのことですが、千葉演習林の本資料は点数が多いのが特徴です。ただし、教材として使用されなくなって久しく、図面のついての説明文がなく内容を整理把握してあるわけではありません。 多くに「農科大学図書」の印が押されています。東京帝国大学農科大学が東京帝国大学農学部に改組されたのが1919年(大正8年)ですから、主としてそれ以前に制作されたものと考えられます。明治20年代の制作ではないかとも推測されているようです。